ドライブ好きの方や仕事で車を使う方の大半が高速道路を定期的に利用されていると思います。
高速道路に乗る際に、便利に料金精算ができるETC(Electronic Toll Collection System)ですが、その普及率は国交省の調査によると9割以上と言われています。
ドライバーのほとんどが利用されているETCですが、実はETCマイレージと呼ばれるあまり知られていないお得なポイントサービスがあるのはご存知でしょうか。
今回は、ETCマイレージのメリットと登録方法、ポイントの貯め方・使い方について解説をしていきます。
ETCマイレージとは?
ETCマイレージサービスより引用
高速道路でETCをよく利用される方は、早朝や夜間に高速道路料金が割引になる『ETC割引制度』はご存知だと思いますが、利用金額に応じてポイントが貯まるETCマイレージはあまり知られていないのが現実です。
ETCマイレージとは、ETCの決済を導入している高速道路事業者が連携して提供しているポイントサービスの総称です。
誰でも簡単に登録することができ、対象の高速道路の支払い金額に応じて、ETCマイレージのポイントが自動で貯まり、貯まったETCマイレージのポイントは高速道路利用料金の割引に利用できます。
先に結論から言うと、ETCマイレージはETC車載器とETCカードを持っている方であればメリットしかない絶対に登録すべきお得なポイントプログラムとなっています。
ETCマイレージの対象となる方
ETCマイレージは以下の条件を両方満たす方であれば誰でも登録が可能なサービスとなっています。
- ETC車載器を保有している
- ETCカードを保有している
なお、1つ目の条件のETC車載器の保有については家族名義でも問題ありませんので、家族の車で自分のETCカードを使うケースでも登録対象となります。
また、ETCマイレージで車載器とETCカードを登録すれば、その後はレンタカーや社有車など他の車で登録したETCカードを使ってもポイントを貯めることが可能です。そのため、仕事とプライベート両面で高速道路を使う方にとっては非常にお得なサービスとなっています。
一度登録すると、カードの有効期限が残っている限り自動でETCマイレージのポイントが貯まっていく仕組みなので条件を満たす方は、すぐに登録を検討することをお勧めします
実は見落としがちな、ETCマイレージでポイントが貯まる方の事例
・自分では車を保有していないが、家族の車にETC車載器が付いている場合
このケースであれば、自身のETCカードと両親または家族のETC車載器情報でETCマイレージの登録が可能です。
一度、ETCマイレージに自身のETCカードを登録してしまえば、カーシェアやレンタカーなどで自身のETCカードを使った場合でもポイントが自動的に蓄積されます。
・自身や家族で車を保有しているが、主に社有車でETCカードを使う場合
この場合も、自身や家族名義のETC車載器と自分名義のETCカードの登録をしておけば、社有車で自分のETCカードを使った場合でもポイントが蓄積されます。
このポイント蓄積については、自分のETCカードの利用金額に対して付与されるので、社有車の管理者や会社などに知られたりすることがないので安心して利用ができます。
(会社経費を自分のクレジットカードで建て替えすると、ポイントは自分が自由に使えると言うのと同じ類の話です)
ETCマイレージの対象とならない方
ETCマイレージは個人または法人で、ETC車載器とETCカードを保有している方が対象のプログラムとなります。以下のような方はETCマイレージに登録ができないため注意が必要です。
- ETC車載器を持っていない
- 自社または自身の名義のETCカードを持っていない
具体的に言うと、自分も家族もETC車載器を持っていない方、自分名義のETCカードを持っていない方は登録することができません。また、他人のETC車載器で虚偽の登録をすることは規約で禁じられていますし、詐欺に当たる可能性もありますので絶対にやらないようにしてください。
ETCマイレージの登録方法
ETCマイレージは自分または家族がETC車載器を持っていて、自分名義のETCカードがある方であれば登録料や年会費不要でポイントが貯まる便利なポイントプログラムです。
ここではETCマイレージの登録方法について詳しく解説をしていきます。
ETCマイレージの登録ステップ①ETC車載器管理番号・ETCカード番号の情報を調べる
ETCマイレージの登録にあたり、自身や家族のETC車載器の番号とETCカードの番号・有効期限を登録する必要があります。そのため登録前に事前に情報を集めておくことが必要です。
ETC車載器管理番号の調べ方
一番手っ取り早い調べ方は、納車時に貰えるETC車載器の取扱説明書やETCのセットアップ申込書などに車載器管理番号という欄がありますので、それを見て確認することです。
ただ、確認書類を紛失してしまった方は以下の方法で調べられる可能性がありますので試してみると良いでしょう。
ETCがビルトインタイプではない場合:
ETC車載器にシールが貼ってありますのでそれでETC車載器管理番号を確認をする
ETCとナビが連動している場合:
ナビの設定/情報の画面にETC情報欄がある場合があります。そこからETC車載器管理番号を確認する
音声発話機能が搭載されている場合:
音声ボタンを押すことでETC車載器番号を確認できる場合があります。メーカーなどの情報からWEBで操作方法を調べて試してみると良いでしょう。
上記でも確認できない方でも、まだ諦めるには早いです。
最終手段としてETCをセットアップした店舗が控えを保存している場合がありますので
少し手間がかかりますが確認をしてみると良いでしょう。
購入店舗に確認する方法:
ETCを購入した店舗名をETCセットアップ店舗検索で調べて電話または来店で確認してください。
店舗によっては非常に忙しい場合がありますので、事前に購入名義・購入時期・車種・ナンバーの情報を用意しておくと良いでしょう。
ETCマイレージの登録ステップ②ETCマイレージサービスに新規登録する
ETCマイレージの登録はたったの3STEPで完了します。それぞれ流れを解説していきます。
STEP1 ETCマイレージ新規登録
ETCマイレージサービスのサービスサイトの上部メニューから『新規登録』を選択してください。
※メールアドレスと必要情報があれば、10分程度で登録が可能な内容です。
STEP2 ETCマイレージ仮登録申し込み
新規登録メニューを進むと利用規約のチェックと新規マイレージ登録の仮申し込み画面が表示されます。
そこでメールアドレスの入力をすると仮申し込みができます。
仮申し込みは有効なメールアドレスか確認をするためのステップとなっていますので、連絡がつくメールアドレスを入力してください。
STEP3 ETCマイレージ本登録
STEP2で仮登録したメールアドレスに、マイレージIDとパスワード、本登録リンクが記載されています。
情報をコピペして本登録を完了してください。
ETCマイレージのポイント対象となる道路
ETCマイレージは以下の高速道路事業者にてサービス提供されています。
なお、2021年3月末に阪神高速はETCマイレージのポイント付与対象外となっていますので注意してください。
(他にも、よく使う道路で言うと首都高速道路もETCマイレージのポイント付与対象外です)
- NEXCO東日本
- NEXCO中日本
- NEXCO西日本
- 宮城県道路公社
- 本州四国連絡高速道路株式会社
- 神戸市道路公社
- 愛知県道路公社
- 広島高速道路公社
- 福岡北九州道路公社
ETCマイレージのポイント付与ルール
ETCマイレージのポイントは道路事業者ごとに異なります。
NEXCO3社、宮城県道路公社、本州四国連絡高速道路株式会社が10円につき1ポイント貯まるため、対象の道路事業者の中ではポイントが貯まりやすいと言えます。
また、愛知県道路公社・神戸市道路公社・広島高速道路公社・福岡北九州道路公社については月間利用金額に応じてボーナスポイントが付与される特典があります。
詳細が気になる方はETCマイレージのポイントの付き方のページでチェックしてみると良いでしょう。
道路事業者 | ポイントの付き方 |
---|---|
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社 | 10円につき1ポイント |
本州四国連絡高速道路株式会社 | 10円につき1ポイント |
愛知県道路公社 | 100円につき1ポイント |
神戸市道路公社 | 50円につき3ポイント |
広島高速道路公社 | 100円につき1ポイント |
福岡北九州高速道路公社 | 100円につき1ポイント |
また、ETCマイレージのポイントについては、高速道路を利用した翌月20日に『対象の道路事業者』の『走行ごと』に付与されます。総額で付与されるわけではないので注意が必要です。
ETCマイレージのポイント還元ルール
ETCマイレージのポイントは道路事業者の走行ごとに貯まるルールとなっているため、道路事業者ごとにポイント付与と還元ルールが異なっています。
例えば、NEXCO3社と宮城県道路公社、本州四国連絡高速道路株式会社はポイントの交換単位が大きくなればなるほど還元率も上がっていくポイント還元ルールを設けています。
上記の道路事業者の利用料金に対するETCマイレージのポイント還元率でいうと、およそ5%から10%となりますので対象の高速道路をよく使う方にとっては非常にメリットのある
道路事業者 | ポイント還元ルール |
---|---|
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社 | 1,000ポイント→500円分 |
3,000ポイント→2,500円分 | |
5,000ポイント→5,000円分 | |
本州四国連絡高速道路株式会社 | 1,000ポイント→500円分 |
3,000ポイント→2,500円分 | |
5,000ポイント→5,000円分 | |
愛知県道路公社 | 100ポイント→100円分 |
神戸市道路公社 | 200ポイント→100円分 |
広島高速道路公社 | 100ポイント→100円分 |
福岡北九州高速道路公社 | 100ポイント→100円分 |
ETCマイレージのポイント交換方法
道路事業者によっては5%〜10%の高還元となるETCマイレージポイントについては、有効期限があるため忘れずにタイミングよくポイント交換をすることが重要です。
ETCマイレージサービスのポイント交換方法については大きく2種類あります。
ETCマイレージのポイントの自動還元を利用するパターン
ETCマイレージポイントについては自動還元という便利なサービスがあります。
事前に登録するだけで、交換できるポイントが貯まったら、自動で道路利用料金から割引をしてくれます。
ポイントの交換し忘れを防いでくれますので、ETCマイレージ利用者は自動還元の登録をしておくことをお勧めします。
ただし、自動還元のポイントの単位が大きいため、自動還元されないままポイント失効するリスクがあるため、あまり頻度高く高速道路を利用されない方は、次で紹介する自分で交換するパターンを組み合わせると良いでしょう。
参考:ETCマイレージ自動還元の設定方法
道路事業者 | 自動還元ルール |
---|---|
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社 | 5,000ポイント→5,000円分 |
本州四国連絡高速道路株式会社 | |
神戸市道路公社 | 1,000ポイント→500円分 |
愛知県道路公社 | 1,000ポイント→1,000円分 |
広島高速道路公社 | |
福岡北九州高速道路公社 |
手動でETCマイレージポイントを交換する方法
ポイント有効期限内で効率よくポイント還元させるためには、定期的にETCマイレージポイントを手動で交換することが重要です。
手動でポイント還元するには以下の3つの方法があります。
- インターネットのマイページからの手続き
- 自動音声ダイヤルでの手続き
- ETCマイレージ事務局への電話での手続き
音声での申し込みはナビダイヤルや通常の通話で料金がかかってしまうため、可能な限りインターネットのマイページから申し込むと良いでしょう。ポイント還元のために通話して、通話料金の方が高くなってしまうと元も子もありません。
忘れずにチェックしたい、ETCマイレージサービスの注意点
ETC車載器とETCカードを持っている人であれば、費用もかからずに登録できるETCマイレージサービスですが、効率よくポイントを獲得して高還元を得るには押さえておくべきポイントがあります。
最後にそのポイントについて解説をしていきます。
ポイントの有効期限(約1年)
ETCマイレージのポイントには有効期限があります。有効期限は付与された年度から翌年度末までとなっています。
せっかく高還元でポイントを貯めても還元しなければ意味がありませんので、初回登録時に自動還元の設定を行い、少なくとも年に1-2回はログインをしてポイントを手動で還元すると良いです。
アカウントの登録消去(約2年使っていない場合)
また、ETCマイレージのアカウントで約2年間(730日)の間に、ETCマイレージのポイントの増減がない場合にはETCマイレージの登録自体が取り消しされてしまいます。
長期間海外にいく方などは、2年の期間で貯まっているポイントを少額ずつでも良いので交換しておくことをお勧めします。
全ての高速道路がポイントの対象になるわけではない
ETCマイレージサービスについては、サービスに加盟している高速道路事業者のみが対象となります。
そのため、現在サービスに加盟していない阪神高速や首都高速道路などではいくら走ってもポイントが付与されないことに注意が必要です。
ポイント還元の利用分は、ポイント加算の対象外
楽天ポイントなどでは、ポイント支払い分についてもポイントが貯まることを知っている方も多いと思います。
ただ、ETCマイレージサービスにおいてはポイント還元で割引された部分についてはポイント還元の対象外となるので注意が必要です。(ある意味、楽天ポイントが特殊とも言えますが…)
まとめ:ETCマイレージは全てのドライバーが登録すべき!
今の世の中では珍しいメリットしかない、良心的なETCマイレージサービスについて解説しました。
ただ、ETCマイレージサービスは知名度が低いので、非常にお得な情報にも関わらず知らない方も多かったのではないかと思います。
特に一度登録してしまえば、レンタカーや社有車などでもポイントが貯まるため、利用頻度によっては毎月数千円から数万円程度の節約をすることが可能になります。
登録自体もすぐできますので、これを機会に登録をしてみることをお勧めします。